地域、四季それぞれに魅力の溢れる日本。日本人は「八百万(やおよろず)の神」と言って、すべてに神が宿ると信じてきました。自然と神様に感謝し、生きることを喜び、コミュニティを育てるために行ってきたのが日本のお祭りです。普段はまじめで勤勉なイメージの日本人がエネルギーを爆発させる機会でもありま
す。 なぜ日本人はそんなにお祭りが好きなのでしょうか。
【神への感謝と祈り】
日本のお祭りの本来の目的は「神様に感謝する」こと。「祭り(まつり)」という言葉の語源も「祀る(まつる)」です。神を慰め、祈願すること、またはその儀式を指し、土着の神様、神道または仏教に由来します。
祭礼は、神々や自然の力に対する感謝の気持ちを表し、豊作や安全、繁栄を祈願するための儀式です。これは、個人や地域社会全体の幸福を願う行為として行われます。
日本の祭礼の多くは、自然崇拝や農耕儀礼に由来します。古代日本では、自然の力や農作物の収穫に感謝し、豊作を祈願するための儀式が行われていました。これらの儀式は、稲作を中心とした農耕社会において重要な役割を果たしていました。
【宗教的意義】
神道の宗教儀式としての祭礼も重要な起源です。神道は、日本古来の宗教であり、自然や祖先の神々を祀ることを重視します。神社で行われる祭礼は、神々への感謝や願いを伝える重要な機会です。
神道や仏教の儀式としての祭礼は、宗教的な意味を持ち、信仰の実践として重要です。神社や寺で行われる祭礼は、宗教行事として信者にとって大切な意味を持ちます 。
【祖先崇拝】
祖先を敬い、その霊を供養することも祭礼の起源の一つです。お盆などの行事は、祖先の霊を迎え入れて供養するための祭りであり、地域社会や家庭内で重要な位置を占めます 。
【コミュニティの結束】
祭礼は、地域社会の結束を強める重要な機会です。共同で行われる祭りや行事は、地域住民の絆を深め、共同体の一体感を促進します。
以上、日本人にとっての「お祭り」の意義を見てきました。
日本人のお祭りに対する思いを理解する上で重要なのが、「ハレ」と「ケ」の概念。「ハレ」とは「非日常」、「ケ」は「日常」。祭りは「ハレ」であり、華やかに執り行うことで「ケ」をリセットする意味があります。
日本人は、この「ハレ」の機会を楽しみにし、「ケ」の日常を生きる活力の源としているのです。
(参考サイト:ANA「お祭りって何?」https://www.ana.co.jp/ja/jp/japan-travel-planner/japanese-festival-omats...:2024年7月9日取得)